昨年8月にハスキーブリーダー犬舎の廃業に伴い、放出された40頭以上の繁殖犬ハスキーたち。
その中の1頭がシンディでした。
若い子から引受先が決まっていく中、大きな乳腺腫瘍を抱えて、皮膚の状態も悪かったシンディは、最後まで残るであろうという子でした。
アルマでもその時、他に若いハスキーを引取りましたが、シンディは犬舎に行った時に最後まで何度も何度も見た子で、このままいつまでも犬舎に残しておきたくなくて、私が連れ帰りました。
シンディたちがいた犬舎
シンディは、左写真の犬舎の向かって右側の奥から4番目あたりにいました。
連れ帰ったばかりのシンディ。
まだティアハイムが出来る前で、我が家のサークルにとりあえず。
体重22キロほどで痩せて毛もパサパサでした。
とても温厚な子で、小型犬と同じ部屋にいても、優しく高齢犬と一緒に寝たり。
亡きシーズー♂権太と一緒に寝るシンディ。
シンディは犬舎名が「シン」で、「シンコ」という名前の実の娘がいました。
ブリーダーレスキューの日に、シンコも一緒に引き取っていますが、シンコはスタッフくみこさん預かりの元、先にご縁が決まりました。
シンコも腎臓の問題もあって、決して良い条件の子ではありませんでした。
グレイスという素敵な仮名をつけてもらって、どんどん磨きがかかっていきましたね。
シンディの娘グレイス(シンコ)
お母さんに似ている。
そんなシンディ、引取りの際にブリーダーさんに年齢を聞いたら「10才」だといわれました。10才と言われたら、それらしい年齢・風貌でした。
10才だけどご縁探し、頑張ろう。
でも、やっぱり大型犬の10才。
甲状腺機能低下症という病気もあり、朝晩の投薬が必要です。
毛並みも体格もずっと良くなったけれど、近い将来に来るかもしれない介護を考えると、この年齢からもらってくださる方は早々に現れない・・・。
引取りから1年3ヶ月が経過しました。
シンちゃん、11歳?
それがそれが・・・
先週のオープンシェルター(11月24日)にシンディに会いに来てくださった方がありました。
なんと、シンディの姉妹犬を飼っていた方でした。
シンディをブリーダーレスキューしてから、シンディのことを知り、飼われている子と姉妹だろうとわかって、気にかけてくださっていたそうです。
シンディの姉妹が今年リンパ腫で亡くなったそうで、シンディのことをお話したいとティアハイムに来てくださったのです。
姉妹犬も4歳のころから甲状腺機能低下症でお薬を飲んでいたとのこと。
シンディの姉妹犬
そして、まさか見ることを想像もしなかったシンディの子犬時代
お話では、シンディたちは、4匹兄弟で、女の子2頭、男の子2頭。
シンディ以外の子たちは、みな一般家庭に迎えられて、シンディだけが犬舎に残ることに。
当時、ブリーダーさんがシンディを残したかったのか、勧めなかったとのこと。
シンディ以外の子たちは、横浜方面に貰われて、男の子兄弟のうちの1頭のご家族とは親交があったとのことでした。
その男の子も病気で亡くなったそうです。
そして、シンディのお誕生日がわかりました。
2003年3月9日。
シンディは10才ではなくて、今、8歳6ヶ月でした。
引取ったときは7才半だったんですね。
やつれて疲れ果てていたような表情だったシンディ。
過酷な犬舎での暮らし。
お母さん犬で頑張ったシンディ。
シンディの昔のことなど何も知らなかったけれど、可愛い子犬時代のシンディを知ることが出来て、なんだか嬉しくて涙が出ました。
シンディは苦労したものね。
温かい家庭で暮らすことも出来たかも知れなかったのに、ずっとコンクリートの上で寝起きして暮らしていたんだもの。
新緑の中、駆けるシンディ。
長く病気の手当てもされず、毛色も退色してしまって、いまだに生えてこない箇所もありますが、シンディの優しい眼差し、大好きです。
ティアハイムボランティアの「ぎんさん」が撮ってくだっさったこのお写真は、アルマ2014年チャリティカレンダー卓上の1月の表紙を飾っています。
来年の1月は、シンディは新しい家族のもとで新年を迎えられそうです。
ぎんさん、介護になったらシンディを引き取ると励ましてくださったけど、シンディ、本当のおうちが見つかったようです
どうか今までのシンディの頑張りに拍手を送ってあげてください。
そして次の子の命をつなぐためにも、シンディの1枚の写真にエールを送ってください。
チャリティカレンダー販売中!
応援、どうぞよろしくお願い致します。